私が煙草吸ったらどう思うわけ
あーー あ
一生戻れないんだから
あの時の冷たさも涼しさも
ワイシャツにベストを着て
足元から赤の風を感じながらゆっくり歩いてたのに
イヤホンをつけながら音を流して川を見て緑を通って周りを見てたのに
学校が楽しかったのに 蛇口も自動販売機も80円のココアもコーンポタージュも
窓の隙間から入る風も音も光も時も私も全部好きだったのに今の頭のまま幽体離脱の逆で入れちゃえばいいのに
全部好きだったブレザーもリュックも筆箱もスカートもあの寒さもロッカーもたまに横並びになれたことも廊下の窓から見るみんなも 近いのに遠いのに楽しかったのに 黒板の文字をノートにとるのが好きだったのに
私はあの時の私が1番好きだったよ たぶん
もっと綺麗になって痩せ細って華奢になって色白で綺麗な髪の毛と肌と長い睫毛と透明な見た目で真っ黒い髪で細い指で煙草を挟んで吸っていたらどうなの どう思うの 知ろうとしてくれるの 不思議な存在に見えるの 特別に見えるのどうなの 冷たい風が大好きずっと 眠りたくないずっと外にいたい誰もいてほしくないけど見ていてほしいの 冷たい風に当たっていたい 素敵な変わり者でいたい特別でいたい ちょっとおかしい人でいたい かっこいい変人でいたい 引きつけたい気にならせたい 忘れられないになりたい目が離せないになりたい 不快でない気持ち悪いになりたい 気味の悪くない不気味になりたい 風に当たりたい冷たい空気に包まれていたい
酒を求めずに煙草が吸いたい
戻れないんだから