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ここがあたしのツイッター

おかえり

 

こんにちは。こんにちわ。

久しぶりにアクセス解析を見てみたら

今日だけでも既に2

今週だけでも45 

何も更新していないのに。

もしかしてその中のどれかは

バ先の奴かな きっっしょ

 

ラムネソーダアイスキャンディー美味しい

 

ここ最近の睡眠で毎度

怖い というか 生きることと亡くなることについて考えさせられる 奇妙というか不思議というか艶かしいというか後味というか後悔が残るというか、そんな夢を見ています

 

でも祖母が言っていた言葉で

納得がいったような、腑に落ちました、多分

 

ちゃんとしよう 伝えてくれています

目を見ようか 会おう おかえり。

前回の更新から1ヶ月経ったって、

てことでツイートの下書きをまとめて貼るね

 

 

薄暗い夕方 今日は雨が降ってた

プール上がりまだ乾ききらない髪

ポロシャツにスカート 君と笑い 話す

コンビニでアイス買って 歩いて 溶けて

学校帰り 夏の重い荷物 

傘を引きずる音 もう戻れないなあ

汗と涙 涙流した記憶ないな

一瞬だった あれは 幻 ?

 

 

興味ある人間のいいね欄を見るが趣味なんだ〜気持ち悪いでしょ

 

 

全く泳げなくても海とか水とかそういうの好きだよ

 

 

私の誕生花はハナミズキとトサミズキ

 

 

最近バグったんか?と思う程の美人可愛い子さんがインスタに大量発生していてバグっている

 

 

電車内で酒を飲む奴が嫌い

男子大学生はみんなリュックを背負って通学してほしい リュックってだけで2割お洒落に見えるから な

 

 

メールを送ったってもう返ってこない

コンタクト付けっぱなしで寝てしまう日々が増えたのは、どんなに眠くたって叩き起こして注意してくれる人がいなくなったから

敷布団がフワフワなままなのは、そろそろ布団涼しいのに替える?って言ってくれる人がいなくなったから

タンスから溢れる程服がいっぱいになっちゃうのは、もう着ない服ダンボールに入れてって言ってくれる人がいなくなったから

野菜スープもハヤシライスもシチューも食べることがなくなったのは、今日のご飯何が良い?って聞いてくれる人がいなくなったから

いつのまにか部屋の隅にホコリが溜まるようになったのは、いつも気付かないうちに掃除してくれてた人がいなくなったから

最近の自分の話をしなくなったのは、今日どうだった?って聴いてくれる人がいなくなったから

流しにあるうがい薬が減らなくなったのは、帰ってきたらうがい手洗いでしょーって言ってくれる人がいなくなったから

洗濯物も食器も溜まったままになってしまうのは、めんどくさがらずに洗ってくれていた人がいなくなったから

部屋の植物の元気がなくなったのは、毎日朝にお水をあげる人がいなくなったから

ポイントカードを忘れることが多くなったのは、出掛ける前に声をかけてくれる人がいなくなったから

皆んなで集まってバラバラのケーキと注文した出前ずしを食べる誕生日会をしなくなったのは、あなたがいなくなったから

一人一人の生活になったのは、ご飯はちゃんと皆んなで揃って食べるんでしょって言ってくれる人がいなくなったから

お風呂に入りながら泣いてしまうことが増えたのは、あなたがいなくなったから

でも自分たちでできることも増えたと思ってるよ

今どこで 何してるの? 

もしかしてそこにいる? 目の前に座ってるの?

最近調子はどう?元気にしてるかな

遠くにいるようで?実はいつも近くにいる?

実はいつも隣にいる?

自分で考えることを教えてくれてる?

どこにいる?

ちょっとだけ、一瞬だけでいいよ、ちょっとだけさ、教えてよ

ノンフィクションフィクション


雨が降っても散らない桜があるように


目だけじゃなくて体も起ききっていなければもちろん脳みそだってまだ寝てる

いつもはじめに言うことを聞いてくれるのは体で目も開けられてないまま浴室に向かう

いしをちなみにここでいう脳みそは交感神経副交感神経など体に意思を伝達する所を除く

電車の時間に間に合わせようと髪も乾かせていないまま家を出る

カーテンを開けないので常に薄暗い家の中

まだ外も薄暗いことを想像していたが、玄関を開けた途端入り込んでくる日差しと暖かい風。春だ。なんだこの季節に乗り遅れていたのは私だけかとこんな自分に少し悲しくなった

新生活のためにと最近買った白い上着は自転車のハンドルを掴んだ腕から日差しを反射して眩しい

駅に着けば高校生たちが

見るからにこの春からの新入生なのだろう

まだ中学生上がりというように可愛らしくこれから始まる新生活に胸を膨らませているのが痛いほど伝わってきた。ただただ羨むことしかできなかった。新生活といえば私だって同じはずなのに、どうしてこうも違うのだろうおそらく今の私からは輝きの文字すら見出せないだろうな



桜も散った初夏の空気を感じる春に


明るく眩しく爽やかで対照的だった

少し寂しく感じるけど憎らしくはなかった

これもこれだよこれもあるんだよそう言い聞かせてくれている様だった

令和元年元日 5月1日

妻が亡くなった

よく人は「世界が真っ暗になった」とか「色を失った」とか言うけど思ったよりもそうではなくて、でもそれはまだ実感できいないからなのかもしれないし。今言えることは、俺の周りの世界は真っ暗にならないしむしろ色彩にはより一層の鮮やかさを感じるようになった 眩しいほどに。それと世界は御構い無しに回り続けることも知った。

いつの間にか飲むことが義務化してきた胃薬 1瓶の消費スピードも早まる。アメスピの12mg最近は以前よりも吸う感覚が短くなってきたように思う。妻は闘病を機にタバコをやめた。もちろん俺もやめればいい話なのは分かっているけど案外上手くいかないのがタバコというもので、つらい。

これから一人で娘たちを育てていくことへの不安や先の見えないこれからに最近は寝ても寝た気になれなかった。

帰宅して妻のカバンを整理した時2019年のスケジュール帳があった。そこには妻がよく作っていた料理のコツや隠し味が一枚の紙にびっしりと書いてあったが、こちらが読める字で書かれていたことからまだ元気のある時に書いていたのだろう。そして最後のメモのページには俺や娘たちに宛てた短いメッセージや今後のこと(死後のこと)が書かれていた。内容はここには書かない。

妻の財布の中には沢山のポイントカードや会員カード、そして数年前に帰省した際に皆んなで撮ったプリント倶楽部と俺と妻が結婚式(といってもこじんまりしたものだが)をあげた時の写真がプリントされたテレホンカードが入っていた。すごく懐かしい気持ちになった、ずっと見ていたら寂しくなってしまうので少し眺めた後に俺の財布にしまった。

妻と俺は4歳さで俺が年下だ。妻が入院している時高速に乗って病院へ向かいながらふと思い出していた、車種は違えど昔から助手席に乗ってくれていたこと、俺が友人たちと飲んだ時は夜中に電話しても迎えに来てくれたこと その時は俺が助手席に乗っていたこと、娘が生まれてからは後ろの席から会話したこと、それぞれ部分的ではありながらも思い出していた。

そういえば、出会いは職場に行くために乗った電車だったな。いや、思い出したことを全て書いていたらキリがないならやめよう、俺の心に残しておけばいい。



最期には、会えなかった。でもきっとこれで良かったのかもしれない。そもそも運命で決まっていたんだ。ショッピングモールで父からの連絡。ベンチに座った私の横を通り過ぎて行く人たちを眺めては「ああこの人にもこの人にも親がいるんだこの人も元気なんだ」と思っていた 同時に「この人もいつか死んでしまうのかこの人もか」と思ったりもした。人は死を免れないことを実感したし、そう思うと少し楽になれた気がした。

人は傘を選ぶ時に、自分の本当の好きな色が分かるんだと知った。私は今まで自分が青が好きだと思っていた。でも緑が好きだったようだ。自分が思っているより、自分は落ち着いていた。つい先程親が亡くなったなんて、今私とすれ違った人たち誰も気付かないんだろうなと思いながら歩いていた。

新しい緑色の傘を買って最寄駅からの道を歩く冬があけて春になって最近は暖かいよりも暑いが言葉として近しくなってきた。緑は爽やかに色付いて目につく。晴れていたのに雨になったり、綺麗な晴天なのにも関わらず涼しげな雨が地を濡らす。まさに五月雨だ、煌めきを目に映す。

そばにいたら、優しい音で伝えてねと思う。扉を一度コツンと軽くノックしてくれたり、机に置いてあった紙一枚を優しく床に落としてくれたり、そういうのがいいなと思う。


かすみ草は私も好きだよ。ありがとねこれからもよろしくね大好きだよ。

一億年に1人がいい


こんにちは。


一億年に1人の顔になりたいですよね。

そう思っても結局好きな人からの「1番可愛い」が貰えないと満足できないのが女の子様ですよね。



教習から帰ってきて、

おばあちゃんとおじいちゃんと夜ご飯を食べて、最近は外食せずにお家でご飯が食べれて嬉しいですね。

毎日教習の話をしています

おばあちゃんが「ちょっと認知症になってるからなあ」って自分で言ってましたけど、自覚症状あるうちって、まだ年齢特有の"忘れっぽい"だけなんじゃないのかなぁと思ったり。

でもとりあえず高齢者は認知症呼ばわりな現代なので、よくわかりませんが

もし、

「今日は乗ったの?」って2回聞かれたら

「乗ってないよ」って2回答えるし、

「明日は外出るの?」って3回聞かれたら

「そうだよ」って3回答えます。


ここ最近判明したのはおばあちゃんが二輪の免許取る前、バイク10年以上無免で乗ってたことです。

私小さい時におばあちゃんのバイクの後ろに乗って、2メートルぐらいの橋からバイクごと2人で落っこちたことがありまして、

ちょっと気になって「その時は免許取ってたの?」って聞きました。取ってました。

まあそれはなんでもよくて、その流れで小さい時のことを思い出しまして、

おばあちゃんとよく一緒にお風呂に入ったてたんです。その時に「みきちゃんのほっぺは綺麗ねえ、でもね、おばあちゃんもスベスベなんだよ〜?ほら、ね?このタオルでね、こうやって優ーしく洗ってるからなんだよ〜」って言われてたことを思い出したので、

今日ご飯食べてる時に

「おばあちゃんまだほっぺ綺麗だね」って言ったんですよ、本当に変わらず綺麗だったから。

そしたら「やっだあー、恥ずかしいじゃないのよお!まあ確かにね、シワも少ない方でしょ?」みたいなこと言ってたので「そうだね」って返してたら、

おじいちゃんが「そんな訳あるかよお」みたいな感じで私に言ってきたので、ん?なんや照れ隠しか?って思いました。

うちのおじいちゃんとおばあちゃんめちゃくちゃ可愛いですよね。笑

大好きなんですよ〜

私が中学生くらいの時に

「みっこの成人式見れるかなあ」って言ってたけど、多分見れる気がするし、どんな形であれ見せますから安心して下さいな、って思いました。今日



最近は

洗濯することも苦にならなくなってきました、しかもアイロンも。もはや極めたくなってきたというか、上手くなってきたと思います。すごい成長。

朝から一日中教習所にいることが多いので、もちろん疲れてしまって、なので帰ってご飯食べたらすぐお風呂入ってます。ちょっと良いことかも。成長。

でも家事こなすようになってきても、ペットボトル溜めちゃうくせあるからなあ、まだまだやな。



最近拝島のパン屋さんハマってます。

塩パン。おいしい!パン屋さんのパンってめっちゃ美味しいですよね。

今日お母さんと電話しました。

頑張ってって言おうと思ったけど、やっぱ電話だとちょっと照れくさいので、言わなかったけど、後からメールで送りました。前までは思ってても言わないで終わらせちゃうことが多かったから、伝えられるようになっただけ、偉いかな!



自分の好きな物、事に関して、自分の好きな人が、それを肯定してくれた時の私の嬉しさは、私にしか分からないし、人はやがて天国に行きます。まじ生きる力って感じですよね。



みおこちゃんは明日よみうりランドに行くらしいです。

家に帰ってきた時に「お土産買う?」って聞かれんですが、「いいよ笑」って言っちゃいましたね、優しい妹だねえ、「この服に何着ればいいと思う?」って聞かれたけど、「わかんない」って返しちゃって、今思うと素っ気ない姉ちゃんだなあ、今度聞かれたらなんかちゃんと言ってあげよ。




明日も頑張りましょう!!


眩惑



あの日も

海が逆さまになって天に張り付いてしまった様な空だった





確かこの日だった 

彼女と出会ったのは













色素の薄く一本一本が透き通って見えるほどに細く繊細な髪の毛。日の光が当たれば透明にも見えるその髪は指を通せば瞬く間に溶けて無くなってしまうのではないかと思うが、もちろん触れることさえ叶わない。

すらりと真っ直ぐに伸びた手足はキメの細かい白い肌に覆われていて、それはまるで病室で真っ白なシーツをかけながら静かに窓を眺めているのが相応と言えるだろう。

華奢で細いその肩には制服のブレザーがやけに大きく感じるし、彼女がブレザーを着ているのではなく、ブレザーに着られている様にも見える。だがその不釣り合いさが僕に少しの親近感を覚えさせてくれる。



彼女はその容姿の端麗さから、ジワジワと学年の中で名が広まっているらしい


僕は数少ない友人たちから名前を聞くだけで、彼女が一体どんな人なのか分からなかったし、なにせ僕は他人に興味がなかった








あの時までは。



 





僕には読書という趣味があった

中学の頃までは義務付けられた週何度かの15分間、所謂"朝読書"としての範囲でなんとなく読んでいただけだった。

高校に入学してからというもの、地元から少し離れた所にあるこの学校では同じ中学からの進学者もいなかった。社交性の劣っている僕は"読書"を周りと自分とを隔てる"ツール"として使用するようになっていた。そしてそれと同時に本の持つ力に魅了されていった。




僕は月に数回、といっても2回、多くて3回校内の図書館を利用している。

科学や様々な研究の論文など、専門的な分野の本も希望すれば取り寄せてくれるし高校生でも読める書き方がされている本がほとんどだ。細胞についての研究に興味がある僕はよくその類の本を借りている。本来の論文は英文で書かれているものが主流だが、ここにあるものは全て既に日本人の手によって分かりやすく翻訳されているものだ。僕はいつも本を借りる際に、取り寄せる本を選んでくれている司書さんに心の内で感謝している。





本を返しに図書室を訪れた時

いつもと違う顔があった。

というのも、高校では図書室を利用する生徒は学年の中でもごく一部の人間だけなので、いつもいる生徒の顔はなんとなく覚えているし、そもそも彼女がいることによって図書室全体のバランスというか調和が乱れている気がした。だからこそ一瞬で普段との違いに気づくことができたのかもしれない。

  


少し遠くから様子を伺っていると、小さな身体で背伸びしながら少し高い所にある本に手を伸ばしていた。不安定な様子に見ていられなくなった僕は話したこともない彼女のもとへ行った。

彼女が手を掛けていた本を取って手渡した

「これでいいの?」

離れて見ていた時は随分高い所にあるように見えたが、実際は思っていたよりすぐに手に取ることができる高さにあった。

「ありがとう」

後ろ姿しか見えていなかった彼女がこちらを向いて小さく笑った。風が吹けばそれに乗って消えていきそうな、軽やかで柔らかい声だった。

頭の端で小さく畳み込まれた記憶がその一瞬で大きく鮮明に蘇った








僕は彼女が誰だか分かった













彼女だ



友人たちが話していた











「風美 夢」 は













彼女が取ろうとしてた本が置いてあったのは

ちょうど僕がいつも借りる科学や研究のスペースの上だった。僕は次に借りようと思っていた本を手に取り貸出表に記入をする。

題名を書き、学年、クラス、氏名、

そして今日の日付を

「あれ?今日、、って…」


「えー?忘れちゃったの?(笑)今日はー、2月29日だよーー 」


「ああ、そうか。」


「あ、ちなみに2013年ね(笑)」


「わかってるよ。」


記入を終えた僕は図書室を後にして

いつも放課後に読書をしている三階の渡り廊下に行こうと廊下を歩いていた。もちろん今時期は寒いけど目が冴えるから好きだった。


しばらくしないうちに

彼女が走りながら

「ねーーーーー!」と僕の方へ向かってきた


「なんだよ 」


「どこに行くの?」


「…読書をしに行こうと思って 」


「どこに?」


「…渡り廊下。」


「私、いいトコ知ってるんだよ」


「へ? いいよ別に、…行かなくて 」


「いいからーー、来て!」


彼女に半ば強引に手を引かれながらついて行った。というよりはついて行かされた、という方が正しい。

そういって連れて来られたのは

同じ三階の小さな踊り場のある屋上への入り口だった。高校生活は今年で3年目になるが、ここへ来たのはほぼ初めてと言ってもいいだろう。この学校は屋上へ行く文化がないし、そもそも閉鎖されていたので、ここに入り口があることだって、僕は知らなかった。

彼女が入り口の古びたドアノブに手を伸ばす

「え、いいの?」


「いいよ、特別にね」


「いやそういうことじゃなくて、」


「いいから、私達しか知らないんだから」


薄暗かった入り口に建てつけられた古ぼけた扉。そこから一気に入り込んで来た外の光に僕は情景反射で目を瞑った












































私は屋上で1人になるのが好きだった

ここが私の特等席だった

なにも考えずにただ空を眺めてボーっと過ごすのが好きだった

たまにギリギリの所に立って下の校庭で部活をしてる人たちを眺めるのも好きだった

けど1番はその反対側から見える景色




三階渡り廊下



いつも1人で本を読んでる彼はとても綺麗だった。

漆黒とも言える真っ直ぐで艶のある髪。この学校の特徴とも言える黒いブレザーは、彼が着ると独特なオーラを放ち別のものと思わせる。風が吹くたびに揺れる前髪。時折覗く目も、まるで女の子の様なまつ毛も。文を読み進める度、動く瞼と瞳にはいつも魅入ってしまう。段差に腰掛けながら少し折り曲げた足は窮屈そうに曲線美を放っている。極め付けに本を支える左手とページをめくる右手。指先、爪の先から手首まで。美しく繊細で脆そうで、きっと触れたら白い砂になって消えてしまうのだろう。

遠い所にいる彼にもっと近付きたいと、

知りたいと思った。



そうだ


私も本を借りて

あの渡り廊下に行ってみよう


すぐに行動に移した

早く彼と話したいと思った

待ちきれなかった










だけど案外すぐに近付いてしまった

 








私は小説が好きで時間ができれば目を通していた。図書室でどの本を借りるか物色していた時ちょうど好きな作家の新作が見つかった。けれど私の背丈では少し高過ぎる所にあった。なかなか取れずに奮闘していると

「これでいいの?」

頭の少し上から、取ろうとしていた本と一緒に声も降りてきた。優しい声だった

「ありがとう」と振り返り顔を見てみると、彼がいた。すごく驚いた。もしかしたらこの驚きが顔に出てしまっていたかもしれないが、即座に冷静を装って私は軽く微笑んだ。




彼が貸出表に記入していた



やっと知れた





素敵な名前













「蒼海 空」

















ボーっとしていたらさっきまでそこに居たはずの彼がいなくなっていた。私は図書室を飛び出して必死で探した。思っていたよりもすぐに彼を見つけることができた。

私は迷わず声をかけた。

今しかない。

連れて行こうと思った。私の特等席に。

彼の手を取った。触れた。だけど、想像とは違って、白い砂になって消えたりはしなかった。当たり前だけど、なぜか少しだけ安心した。































初めて見た屋上の景色は

僕が思っていたよりもずっと綺麗なものだった。

入り口の古ぼけた扉とは全く不相応な、床一面に貼られた白いタイル。まるでついさっき完成したかの様に、汚れひとつ無い綺麗な空間が広がっていた。学校指定のダサいスリッパで踏み入るのが億劫だったけど、少しずつ、一歩ずつ中へ進んで行った。

白いタイルは反射した真っ青な空を鮮明に映し出し、あたかも自分が海の中にいるかのようだった。きっと写真でもこの美しさを切り取ることはできないだろうと思った。

何より普段なら来ることのない場所へ立ち入ってしまったことへの背徳感と、彼女と僕しか知らない秘密を共有しているこの状況への高揚感から僕は自分でも驚くほどに心を躍らせていた。

こんなの何年ぶりだろう。


「ここ、いいでしょ。」


「ああ。こんなに綺麗なのにどうして皆んな知らないんだろうな、勿体無いよ。」


「ふふ、どうしてだろうね。

   あっこれオススメ。絶対面白いから読んで

   見てね。じゃあ私時間だから行くね!」


「え、もう?」


「あ、みんなには今日のこと秘密ね!」


返す言葉も見つからないまま彼女は屋上からいなくなってしまった。






「風のようだな 」 



ちょっとおかしくなって1人で笑ってしまった。




















僕は自分で借りた論文と彼女が貸してくれた小説を気分転換として交互に読んでいたために、読み終えるのに一週間かかってしまったんだ。





だから気付くのが遅くなってしまった。












またすぐに、

探さなくても会えると思っていた。














[2016年の2月29日にまたあの場所で会おうね〜                      夢 ]










彼女が貸してくれた小説のあとがきの後にある余白の1ページに書かれていた。


そんなの、もう卒業してるじゃないか。

まだ一度しか君と











でも僕はあの日から一度も彼女を忘れたことはなかった。彼女のおかげで小説を好きになった。あれから沢山の小説を読んだし、彼女に教えてあげたい本も沢山見つかった。

僕はこの日が来るのが待ち遠しかった。

















2016年









卒業して以来初めて高校を訪れた。


彼女に読んでほしい僕のお気に入りの小説を一冊持って。


僕は あの場所 へ向かった

昔と変わらない扉

ドアノブに手をかけて開けようとしても、開かない。決して壊れているわけではないようだ。何度試みても開く気配がないので、仕方なく職員室に向かう。



「なにい?君ここの卒業生ならわかるだろー

   うちは屋上開けてないでしょー。」

「壊れるも何も、開かなくて当然だよ」



おかしい


確かに僕と彼女2人だけの秘密だったから、開いていたことは知らなくて当たり前だけど





なんだか少し不思議に思って、

図書室にも行ってみた






もちろん三年も前の貸出表はあるはずもなく

結局何も得られなかった。

だけど、なんだか少し懐かしかった。








あの時 彼女の名前を教えてくれた友人たちに連絡してみた。

「えー、ごめん覚えてないなあ。」

「いたっけそんなやつ?」

「人違いなんじゃねえ?」







どうしてなんだろう





不思議な疑問を持ったまま

再び屋上への入り口に行ってみた









もう一度 彼女から借りた小説に書かれたメッセージを読み返す

2016年2月29日

確認してみても、僕のスマホの日付と一致しいている


今日  だ












































「2月29日…」

 




















そういえばこの日はうるう年と言われるものだ 








急に怖くなった頭の中が目まぐるしく動き回る気がした


手を震わせながらもスマホの中のカレンダーを遡って行く









2015年











2014年



















2013年


  







4月











3月






















2月








そこには

29の数字はなく

28の次には1が続いていた














僕と彼女が出会った


2013年2月29日は


一体なんだったのだろう


夢だったのか それとも僕たちだけがあの1日を生きていたのか







































そもそも彼女は















































急に屋上へ続く扉が大きく見えた




だけどさっきまでとは違う









開く気がした




恐る恐るドアノブに手をかけ、ゆっくりと回す




























開いたのだ











 





僕は少しずつ扉を開いて

隙間から入り込んで来る光に目を細めた





そこには昔と変わらない

床一面に貼られた真っ白いタイル。

まるであの頃からずっと誰かが手入れをしていたかのように美しいままだった。



あの時の様に空が反射していた

まるで海の波の様だった





そういえば

あの時はなんとも思ってなかったけど

ここにはフェンスがないんだな










いつも彼女はここから何を見ていたんだろう








彼女のために持って来た小説を1枚のタイルの上に置いて、


僕は前に行ってギリギリの所から

あたりを見渡してみた






「今日は本当に綺麗な青空だな」

















「いや、今日"も"  か。」


































そこに 

その先に

目の前に





彼女がいる気がした








僕は彼女に会いたかった

もう一度会いたいと思った






会えると思った。














気付いた時には

足を一歩踏み出していた




















天を泳いでいる



さっきまで逆さに見えていた海も




今では僕の足元に広がっている








とても美しかった
















僕は眩しくて目を閉じた














風が心地よかった








































僕はこのあと












































"夢" を見たんだ。





































































私はずっと



















ここから

























"空" を見るのが好きだった。


































































「えーじゃあこの碧海 空ってやつがもしかして僕ってことですか?」


「ふふ、そうかもしれないわね。」


「なんかすごい美化されてる気がするんですけど(笑) 」


「でも周りから見た貴方はこんな風に見えているかもしれないじゃない?」


「てことは司書さんに僕はこんな風に見えて るんですか?」


「どうかしらね、それは秘密よ 」


「でもこの 夢 って子、会ったことないはずなんだけど、なんだか赤の他人に思えないような気がして…」


「そう。きっと知らないうちに何処かで出逢っていたのかもしれないわね」


「あの、続き、あるなら、もし完成したら、また読ませて下さいね。

僕いつでもまた来ますよ。」




「… ええ。そうね。」




















































メモにあった2018年のやつ

あれから一年が経とうとしていた。

去年とは違った

今となっては時間など気にもせず深夜に洗濯機をガラガラと回している。柔軟剤は多けりゃ良いと思っていたがそういう訳でもなく最近になって体裁を覚え始めた。いつものように携帯と水、本を持ち込んでは半身浴をする。眠くなったら寝る、風呂から上がる。

温まり火照った体を冷ましながら着替え、ドライヤーをかけてはまた体に熱を帯びさせる。一通り支度をした後洗濯が済んだままに放って置かれていた今日(いや昨日)の洗濯物を気怠く取り出しカゴに無造作に放り入れる。

深夜3時を回る

湯船で火照った体には、半乾きの洗濯物の無機質な冷たさが心地よく感じた。灯りも付けず眼鏡すらかけない中の暗くぼんやりした部屋が好きなようにも感じる自分がいた。母のいない週間の中の毎日の習慣だ。この文を忘れないうちにとこのメモに書いている間に体が冷めてきた。相変わらずの末端冷え症がきている。それと同時に眠気も体に重なった。どこかのテレビで急な体温の低下で良い睡眠がとれるとかなんとか、まあもういい。明日は1時間目から授業だ あとはバイトも。次の朝も早いからもう寝ることにしよう。おやすみなさい。